生成AIで顧客向け説明資料をラクに作る手順|税理士事務所の説明時間を減らしてAI集客につなげる
顧問先への説明資料を生成AIで軽くする5段階の手順を解説します。骨組みと言い換えは任せ、制度の説明は下書きまで、当てはめは先生が書く。作った資料を事務所の記事に転用し、税理士事務所のAI集客(GEO・AI-SEO対策)につなげる方法まで扱います。

顧問先への説明資料づくりは、時間がかかるわりに評価されにくい仕事です。制度が変わるたびに作り直し、相手ごとに言い回しを調整し、それでも「よく分からなかった」と言われることがあります。
ここは生成AIが向いている領域です。ただし、そのまま出力を渡すと事故になります。この記事では、事故を避けながら作成時間を減らす手順を、5つの段階に分けて整理します。
私は税理士ではなく、税理士事務所のAI集客(GEO・AI-SEO対策)と業務効率化を支援する立場ですので、税務の中身ではなく、資料をどう作るかという進め方の話としてまとめます。
説明資料が重くなる3つの原因
作成が重くなるのには、決まった理由があります。
1つ目は、毎回ゼロから作っていることです。 似た説明を何度もしているのに、そのたびに新しいファイルを開いています。過去の資料は残っていても、探すより作り直したほうが早い状態になっているのです。
2つ目は、相手の理解度に合わせて作り分けていることです。 経理担当者向けと経営者向けでは、必要な情報の深さが違います。この作り分けを毎回手作業でやると、単純に2倍の時間がかかります。
3つ目は、制度の説明と自社への当てはめが混ざっていることです。 制度そのものの説明は毎回ほぼ同じで、顧問先ごとに違うのは当てはめの部分だけです。にもかかわらず、全体を一本の資料として書き下ろしていることが多くあります。
3つとも、生成AIで軽くできる部分です。ただし軽くする順番があります。
資料を5つの段階に分けて考える
いきなり「資料を作って」と指示しても、使える出力は返ってきません。次の5段階に分けてください。
| 段階 | 内容 | AIに任せる度合い |
|---|---|---|
| 1. 骨組み | 何をどの順で説明するか | 任せてよい |
| 2. 制度の説明 | 一般的な制度の内容 | 下書きは任せ、必ず確認する |
| 3. 当てはめ | この顧問先の場合どうなるか | 先生が判断する |
| 4. 言い換え | 相手の理解度に合わせた表現 | 任せてよい |
| 5. 図解の指示 | 表や図にする箇所の指定 | 任せてよい |
任せてよいのは1、4、5です。ここは表現と構成の作業で、事実の正誤が問われません。
2は下書きだけ任せます。生成AIは改正前の古い内容や、期限の切れた特例を出すことがありますので、公開する前に必ず先生ご自身で確認してください。
3は任せません。ここが専門家の仕事であり、顧問料の中身そのものです。
実際の手順
手順1:説明の型を1回だけ作る
最初に、自分の事務所で使う説明資料の型を1つ作ってください。「①何が変わったか ②いつから ③御社への影響 ④次にやること」といった4つの見出しで十分です。
この型を作るのは1回だけです。以降はこの型に流し込むだけになりますので、毎回ゼロから考える必要がなくなります。
手順2:制度の説明を下書きさせる
型が決まったら、制度の説明部分をAIに下書きさせます。このとき、次の3点を必ず指示に含めてください。
- いつ時点の情報かを明記させる
- 断定を避け、条件がある部分は条件を書かせる
- 出典となる官公庁の資料名を書かせる
出典を書かせると、確認の作業が楽になります。書かれた資料名を先生が確認し、内容が合っているかを見るだけで済むためです。
手順3:当てはめを自分で書く
ここは省略できません。顧問先の状況に当てはめた部分は、先生が書いてください。
分量としては数行で足ります。「御社の場合、対象となるのは◯◯の部分です」「今期は影響ありませんが、来期から◯◯を検討する必要があります」といった具合です。この数行があるかどうかで、資料の価値がまったく変わります。
手順4:相手に合わせて言い換えさせる
同じ資料を、経理担当者向けと経営者向けに言い換えます。ここはAIが得意なところです。
経営者向けであれば「判断が必要な点だけを3つに絞って」、経理担当者向けであれば「処理の手順が分かる形で」と指示を出します。中身は同じで、粒度だけを変える指示にするのがコツです。
手順5:図にする箇所を指定させる
最後に、「この内容のうち、表にしたほうが分かりやすい箇所を挙げて」と聞いてください。金額の区分や、時期による違いは、文章より表のほうが伝わります。
図を作らせる必要はありません。どこを図にすべきかを挙げてもらい、実際の作成は使い慣れたソフトで行うほうが早く済みます。
事故を防ぐための確認
生成AIを使った資料で起きやすい事故は、次の3つです。
1つ目は、古い制度の内容が混ざることです。 金額や期限は改正で変わります。数字が出てきたら、必ず出典を確認してください。
2つ目は、断定しすぎることです。 生成AIは条件つきの内容を、条件を落として書きがちです。「〜の場合に限り」という前提が消えていないか、目で追ってください。
3つ目は、実在しない制度名や通達名が出ることです。 これは頻度は低いものの、起きたときの影響が大きい事故です。資料に載せる固有名詞は、必ず官公庁のサイトで実在を確認してください。
いずれも、確認の手間は資料を一から書く手間より小さいものです。作成をAIに、検証を人に、という分け方が現実的です。
説明資料を集客にもつなげる
作った資料は、顧問先だけに配って終わりにする必要はありません。
当てはめの部分を外し、制度の説明と一般的な考え方だけにすれば、そのままホームページの記事になります。ここで意識したいのが、生成AIに引用されやすい形にしておくことです。
見出しを質問の形にして、その直下に短い答えを置いてください。「この特例はいつから使えますか」という見出しの次の行に、2〜3文で答えを書きます。前置きが長い構成は引用されにくくなります。
そして、いつ時点の内容かを必ず明記してください。制度に触れる記事は、時点が書かれていないと引用しにくい情報になります。もともと資料に書いてある内容ですので、追加の手間はかかりません。
説明資料を作る作業と、事務所の情報発信を作る作業は、ほとんど同じものです。片方の成果をもう片方に回せる形にしておくと、負担が半分になります。
よくある質問
Q: どの生成AIを使えばいいですか?
A: 資料の下書きであれば、広く使われているサービスであれば大きな差は出ません。それより、出典を書かせる指示と、公開前の確認手順を決めておくほうが結果に効きます。ツールの比較に時間をかけるより、手順を固めてください。
Q: 顧問先の実際の数字をAIに入力しても大丈夫ですか?
A: 慎重にご判断ください。顧問先を特定できる情報や、機微な数値の取り扱いは、契約や守秘義務に関わります。当てはめの部分は先生が手で書く、という分け方にしておけば、この問題は発生しません。
Q: 作った資料をそのままブログに載せてもいいですか?
A: 当てはめの部分を外し、一般的な内容だけにしてからにしてください。顧問先の状況が推測できる記述が残っていないか、公開前に確認することをおすすめします。
Q: どのくらい時間が減りますか?
A: 事務所によって差が大きく、一概には言えません。ただ、型を1回作っておくと、2本目以降の作成が明らかに軽くなります。まずは1つの説明資料で試して、ご自身の事務所での差を測ってみてください。
まとめ
説明資料の作成は、骨組み・制度の説明・当てはめ・言い換え・図解の5段階に分けると、任せてよい部分と任せてはいけない部分がはっきりします。骨組みと言い換えと図解の指定は任せてよく、制度の説明は下書きまで、当てはめは先生の仕事です。
型を1回作れば、2本目からの負担は大きく減ります。そして当てはめの部分を外せば、そのまま事務所の記事として使えます。
税理士AIでは、こうして作った資料を、依頼者が実際に検索する言葉で見つけてもらえる形に整えるところからお手伝いしています。税務の判断そのものは先生の領域ですので、私は「その内容をどう届けるか」の部分を担当する、という分担を前提にしています。
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