「AI 税理士」と検索する人は何を探しているのか|事務所のページで答える方法
「AI 税理士」と検索する人は、申告を安く済ませたい人、AIに強い税理士を探す経営者、業界の先行きを知りたい人の3種類です。事務所が答えるべきなのは前の2種類で、知りたいことが違うのでページを分けます。質問形の見出しの直後に結論を書き、料金は文字の表にする書き方を、自分のサイトが生成AIに引用された経験から説明します。

「AI 税理士」と検索する人が増えています。ただ、この言葉で探している目的は、人によって違います。申告を安く済ませたい人もいれば、AIに詳しい税理士を探している経営者もいます。
私は税理士ではなく、税理士事務所の集客をAIと検索の面から支援しています。事務所のホームページを見ていると、「AI 税理士」の検索に正しく答えているページはほとんどありません。代表のあいさつと業務一覧だけでは、検索した人の疑問に答えられないからです。
この記事では、「AI 税理士」と検索する人を3種類に分け、その中で事務所が答えるべき2種類に絞ります。そして、各ページで何を記載するかを説明します。私が自分のサイトで生成AIに引用された経験から解説します。
要約
- 「AI 税理士」と検索する人は3種類います。事務所が答えるべきなのは、申告を安く済ませたい人と、AIに強い税理士を探す経営者の2種類です
- この2種類は知りたいことが違うので、ページを分けます。どちらのページも、質問形式の見出しの直後に結論を書き、料金は文字の表にします
- AIに強い税理士を探している経営者は、AIの間違いを人が止める仕組みがあるかを見ています。AIに任せる範囲と人が判断する範囲を書けば、その答えになります
「AI 税理士」と検索する人は3種類いる
| 検索する人 | 知りたいこと | 事務所が答えるか |
|---|---|---|
| 申告や記帳を安く済ませたい人 | AIで何が減り、料金がいくらになるか | 答える(ページ1) |
| AIに強い税理士を探す経営者 | この事務所はAIをどこまで任せているか | 答える(ページ2) |
| AIで税理士の仕事がどうなるか知りたい人 | 業界の先行き | この記事では扱わない |
「AI 税理士」と検索する人は、大きく3種類に分かれます。1種類目は、AIを使って申告や記帳を安く済ませたい人です。2種類目は、AIに強い税理士を探している経営者です。3種類目は、AIで税理士の仕事がどう変わるかを知りたい人です。
3種類目は事務所の集客とは関係が薄いので、この記事では扱いません。事務所が答えるべきなのは、1種類目と2種類目です。
この2種類は、知りたいことが対照的です。安く済ませたい人は、AIで何が減って料金がいくらになるかを知りたがっています。AIに強い税理士を探す経営者は、この事務所がAIにどこまで任せて、どこから人が見るのかを知りたがっています。同じ「AI 税理士」でも、聞きたいことが全く異なるのです。
多くの事務所のページは、どちらの質問にも答えていない
| 検索する人が知りたいこと | 多くの事務所のページにあるもの |
|---|---|
| AIで何が安くなるか | 代表のあいさつ |
| AIをどこまで任せているか | 業務の一覧 |
| AIでできないことは何か | 事務所の沿革 |
「AI 税理士」で検索した人が税理士事務所のサイトにたどり着いても、そこにあるのは代表のあいさつと業務の一覧です。AIで何が安くなるのか、AIをどこまで任せているのか、AIでできないことは何かは、書かれていません。
質問に答えていないページは、検索にも生成AIの回答にも選ばれません。検索エンジンも生成AIも、質問に答えているページを引用するからです。
私のサイトは、競争の激しいキーワードで、複数のAI回答の本文に引用されています。AIの答えから直接たどり着く人がいることも、自分のサイトで確かめました。引用されたのは、質問に答えているページだけでした。丁寧に書いてあっても、質問に答えていない記事は、一度もAIに引用されていません。
現状では、「AI 税理士」の検索結果には、AIを前面に出した安価なサービスや、大手の比較サイトが並びます。多くの税理士事務所は、自分の名前が候補に出ていないことに気づいていません。
意図ごとにページを分けて、質問に直接答える
| やること | 中身 |
|---|---|
| ページを2つに分ける | 安く済ませたい人向けと、AIに強い税理士を探す経営者向け |
| 見出しを質問の形にする | 見出しの直後に結論を書く |
| 料金は文字の表にする | 画像の料金表は生成AIに読まれない |
やることは3つです。検索する人の意図ごとにページを分けること、見出しを質問の形にしてその直後に結論を書くこと、料金を文字の表で書くことです。
ページを分けるのは、1つのページで両方に答えようとすると、どちらの質問にも中途半端にしか答えられないからです。安く済ませたい人向けのページには、料金とAIに任せる作業を書きましょう。AIに強い税理士を探す経営者向けのページには、AIと人の線引きを明記します。
見出しを質問の形にして直後に結論を書くのは、私が自分のサイトで試して有効だった書き方です。この形に直してから、生成AIの回答に引用されるようになりました。
料金を文字の表にするのも、自分のサイトで確かめました。料金表を画像で載せていたページは引用されず、文字の表に直したら引用されるようになりました。生成AIは、画像の中の文字を読み取れないことが多いからです。
ページ1には料金を、ページ2にはAIと人の線引きを書く
| ページ | 見出しにする質問 | 書く中身 |
|---|---|---|
| ページ1 AIで安く済ませたい人向け | AIを使うと、いくら安くなるのか | AIに任せる作業、減った時間、料金への反映、AIでできないこと |
| ページ2 AIに強い税理士を探す経営者向け | この事務所はAIをどう使っているのか | AIに任せる範囲、人が判断する範囲、数字の突き合わせ |
| 両方に共通 | 誰が書いたのか | 氏名、登録番号、経歴、実際にやったこと |
ページ1 AIで安く済ませたい人向け
このページの見出しは「AIを使うと、いくら安くなるのか」です。見出しの直後に、AIに任せている作業と、そのぶん減った時間を書きます。
支援先の税理士事務所では、銀行明細、領収書、請求書の三点照合をAIで自動化して、確認の手間が2分の1から3分の1になりました。この事務所なら、「三点照合をAIに任せて、確認の時間が3分の1になった」と書けます。減った時間が料金にどう反映されるかは、幅のある数字でよいので、文字で書いてください。
AIでできないことも、同じページに書きます。税法の解釈と、顧問先ごとの事情の判断は人が行うと明記します。この一文があると、安さだけを求める人には線引きが伝わり、きちんとした仕事を求める人には安心が伝わります。
ページ2 AIに強い税理士を探す経営者向け
このページの見出しは「この事務所はAIをどう使っているのか」です。経営者が知りたいのは、AIにどこまで任せて、どこから人が見るかです。AIを使っているかどうかだけでは、判断の材料になりません。
経営者が気にする理由は、自分でもAIを使っていて、答えを疑った経験があるからです。東京商工リサーチの2026年春の調査では、大企業の約6割が組織として生成AIの活用を進めています。使う人が増えれば、AIの間違いを見た人も増えます。
私もChatGPTに税務相談の回答を作らせたとき、配偶者控除の所得制限が古い年度のまま出てきました。Claudeは、判断が分かれる節税の手法を「合法です」と言い切りました。AIの間違いを人が止める仕組みがあると書かれたページは、こういう経験をした経営者に信頼されます。
書く中身は、支援先の事務所で実際にやっている線引きを、そのまま書きましょう。帳簿の入力とルールどおりの計算はAIに任せ、税制改正への対応と個別の判断は人が行い、AIの数字と実際の取引データは毎回突き合わせます。この3つを書けば、経営者は事務所の姿勢を読み取れます。
両方のページに共通する仕上げ
誰が書いたかを明記します。氏名、登録番号、経歴が書かれていないページは、検索エンジンにも生成AIにも信頼されにくいからです。登録番号は、日本税理士会連合会の税理士情報検索で誰でも確かめられます。書いておけば、読んだ人が本当に税理士かを照合できます。
そのうえで、あなた自身が実際に経験・体験した事実を書きましょう。私が支援している税理士事務所のサイトで、税理士先生が自分で申請して通した補助金の手順を書いた記事は、生成AIに引用されました。制度の意味を一般的に説明した記事は、どれだけ丁寧でも引用されていません。あなたにしか書けない経験談があるかどうかが、引用されるかどうかの分かれ目です。
「AI 税理士」の検索に答えるときの失敗例
| 失敗例 | どうするか |
|---|---|
| 「AI対応」とだけ書く | 何を任せて、何が変わったかを書く |
| 料金を画像で載せる | 文字の表に直す |
| 2種類の人に1つのページで答える | 意図ごとにページを分ける |
| AIでできないことを書かない | 人が判断する範囲を明記する |
失敗例:「AI対応」とだけ書いて、何をどう使っているかを書きません。検索する人が知りたいのは、AIを使っているかどうかではなく、何が変わるかです。中身のない「AI対応」は、どの質問にも答えていません。
失敗例:料金を画像で載せています。生成AIは画像の文字を読み取れないことが多く、料金の質問に答えているページとして扱われません。文字の表に直すだけでAIに引用されやすくなります。
失敗例:安さを求める人と、AIに強い税理士を探す経営者に、1つのページで答えようとしてしまいます。知りたいことが違うので、どちらにも響かないページになります。意図ごとにページを分けましょう。
失敗例:AIでできないことを書くのを避けます。「税法の解釈は人が行う」と書くのは、弱みの開示ではありません。AIの間違いを人が止める仕組みがあることを伝えるものです。AIを疑っている経営者にとっては、その一文が知りたかった答えとなります。
よくある質問
Q: 「AI 税理士」で検索する人は、本当に顧問先になりますか。
A: 安さだけを求める人は、顧問先になりにくいです。一方で、AIに強い税理士を探している経営者は、判断の質を見ています。ページを分けておけば、そうした経営者を取りこぼさずに済みます。
Q: まだ事務所でAIを使っていません。それでもページを作れますか。
A: 作れますが、書けるのは実際にやっていることだけです。使っていない段階で「AI対応」と書くと、問い合わせのあとで話が食い違います。まず定型の作業を1つAIに任せて、その事実をページに書きましょう。
Q: ページを作れば、すぐに生成AIの回答に出ますか。
A: すぐには出ません。私の場合も、質問形の見出しと文字の表に直してから、AIに引用されるまでに時間がかかりました。目安は3か月から半年です。その間は、検索での表示回数を記録しながら続けてください。
まとめ
「AI 税理士」と検索する人は3種類います。事務所が答えるべきなのは、申告を安く済ませたい人と、AIに強い税理士を探す経営者の2種類です。この2種類は知りたいことが違うので、ページを分けて、それぞれの質問に直接答えるようにしましょう。
どちらのページも、質問形式の見出しの直後に結論を書きます。そして、料金は文字の表にします。併せて、AIに任せる範囲と人が判断する範囲を明記しましょう。事務所にしか書けない体験談も忘れずに記述します。
まず、自分の事務所のサイトに、「AIを使うと何が変わるのか」に答えているページがあるかを確かめてください。なければ、そのページを最初に作りましょう。具体的なページの作り方などについては、無料相談をご利用ください。
参考・出典
- 国税庁「税理士に関する情報」: https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/index.htm
- 日本税理士会連合会「税理士登録者数」: https://www.nichizeiren.or.jp/tax-accountant/enrollment/
- 東京商工リサーチ「『生成AI』大企業の約6割が組織で活用推進」(2026年3月31日〜4月7日調査・有効回答6,327社): https://www.tsr-net.co.jp/data/detail/1202766_1527.html
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