税理士の独立後の集客は何から?SEO・ホームページ・生成AI対策の順番
税理士として独立したら、何をどの順番で整えれば見つけてもらえるのかを、税理士事務所のAI集客(GEO・AI-SEO対策)を支援する視点で解説します。事務所情報、ホームページ、Googleビジネスプロフィール、検索(SEO)と生成AI(GEO)の対策に加え、広告と守秘義務の注意点も紹介します。

要約
- 独立すると、前の事務所の看板と紹介がなくなります。まず事務所の名前・住所・電話を1つに決め、次にホームページ、そのあとで検索(SEO)と生成AIの回答(GEO)の対策を進めます。
- 生成AIの回答に出るために、特別な対策は必要ありません。Googleは、これまでどおり、検索で見つけてもらうための基本をきちんと続けることを勧めています。ただし、AIに引用されるかどうかは約束できません。
- 広告の決まりと守秘義務は、集客の場面でも守る必要があります。前の事務所で知った依頼人の情報を、自分の集客に使うのは避けてください。
独立すると、何がなくなるのか
勤務税理士のときは、事務所の看板と、所長や先輩からの紹介がありました。しかし、独立した日から、それがなくなります。
国税庁の資料では、税理士の登録者数は2024年度時点で81,696名です。1965年は15,827名でしたので、約5倍になっています。日本税理士会連合会(日税連)の調査を伝える記事によると、開業税理士のうち、自分で開業した人は約84.6%、事業承継は約14.5%です。多くの人が、自分で事務所を立ち上げているのです。
私は税理士ではありませんが、税理士事務所が検索や生成AIで見つけてもらえるように手伝う仕事をしています。ホームページが古いままの事務所では、まずそこを整え直します。その経験から言うと、独立直後にやることは多くありません。順番を間違えないことが大切です。
まず、重要なキーワードを説明しましょう。
- SEO:検索で見つけてもらうための工夫です。
- GEO:生成AIの回答に、自分の事務所が出る(引用される)ための対策です。
- インデックス登録:検索エンジンが、そのページを検索の対象として覚えることです。
- スニペット:検索結果に出る、ページの要約の文章です。
ホームページを整える順番は、次のとおりです。
| 順番 | 時期の目安 | 整えるもの |
|---|---|---|
| 1 | 登録の準備と同時 | 事務所の名前・住所・電話の表記を1つに決める |
| 2 | ホームページの公開前 | トップ、サービス、料金の考え方、プロフィール、問い合わせの各ページ |
| 3 | 公開と同時 | Googleビジネスプロフィール、Search Consoleの設定 |
| 4 | 公開後 | 得意分野の記事を1本ずつ書く |
| 5 | 毎月 | Search Consoleで結果を見て、直す |
順番1:事務所の情報を1つにそろえる
最初にすることは、事務所の名前、住所、電話番号を1通りに決めることです。ホームページ、名刺、Googleの情報、税理士の検索サイトで、同じ書き方にしましょう。
日税連の「税理士情報検索サイト」では、全国の税理士と税理士法人を、氏名や事務所の所在地などで探せます。自分の名前と事務所の情報が、ここでも自分のサイトでも同じに見えるようにしてください。
ここで注意することがあります。税理士法第40条第3項は、税理士が事務所を2つ以上設けることを禁じています。国税庁のQ&Aでは、事務所は税理士業務の本拠で、看板、ホームページの連絡先、契約書の連絡先など、外に向けた表示で判断されます。サイトに複数の住所を並べるのは避けてください。
Googleビジネスプロフィール(検索や地図に事務所の情報を出す無料の仕組み)にも決まりがあります。ガイドラインの一般的な内容は、次のとおりです。
- 対象は、実在の店舗や、顧客のいる場所に出向ける事業です。
- 事業者名は、認知度の高い正式名称にします。営業時間、電話番号、URL、キャッチコピーは名前に入れません。
- 住所は実在の拠点にします。遠隔地の私書箱は使えません。バーチャルオフィスは、従業員が常駐している場合だけです。
- 1つの事業に複数のプロフィールを作ると、表示に問題が出ることがあります。
税理士事務所がこの対象になるかどうかの最新情報は、Googleのガイドラインで確認しましょう。
順番2:ホームページは「問い合わせの入り口」を1つ整える
ホームページは、全部を新しくしなくて大丈夫です。小規模な事務所なら、まず問い合わせの入り口を1つ整えるのが現実的です。
私は事業をしていたころ、顧問税理士に仕事をお願いしていました。いちばん助かったのは、迷ったときにすぐ相談できることでした。依頼する側は、同じ気持ちで事務所のサイトを見ます。「誰が、どんな相談に乗ってくれるのか」が一目でわかるようにしてください。ホームページを問い合わせの入り口に変える手順は、紹介に頼らない税理士事務所のWeb集客|ホームページを問い合わせの入り口に変える手順で説明しています。
最初に作るページは、次の5つで十分です。
- トップページ:誰の、どんな困りごとを助けるか
- サービス:得意分野を絞って書く
- 料金の考え方:報酬は、具体的に書く
- プロフィール:経歴と専門分野
- 問い合わせ:相談の入り口
Googleの「SEOスターターガイド」が示している基本も押さえましょう。
- ページのタイトルは、そのページだけの内容で、明確に、短く書きます。ページごとに別のタイトルにしてください。
- メタディスクリプション(検索結果に出る説明文)は、そのページの要点を短く書きます。読む人が、クリックするかどうかを決める助けになります。
- URLには、読んで意味のわかる言葉を入れます。ランダムな文字だけのURLは避けます。
- リンクの文字は、リンク先の内容がわかる言葉にします。「こちら」だけのリンクは避けます。
- 画像は、関連する文章の近くに置き、alt属性(画像の説明文)を付けます。
もう1つ大切なのが 「誰が書いたか」を見せることです。Googleは、経験・専門性・権威性・信頼性を挙げ、その中で信頼性を最も重要としています。著者名と、その人の背景や専門分野を載せましょう。
順番3:検索(SEO)で見つけてもらう
ホームページを作っただけでは、ほとんど見られません。検索の入り口になる記事が必要です。
ここで私が勧めるのは、検索件数が少なくても、悩みがはっきりしたキーワードを調べることです。たとえば「税理士 独立 集客」のように、状況と悩みが入った言葉です。検索件数が少ないキーワードを、スモールキーワードと呼びます。
私自身、2000年代に、あるキーワードで検索結果の上位10件のうち9件を、自分のサイト、スタッフのサイト、自分の本のページで占めたことがあります。入り口をいくつも用意して、検索結果をほぼ独占したのです。ただし、これは時間をかけて、人手も使ってできたことです。独立直後の税理士が、同じことをする必要はありません。
もう1つ、5年ほど前の話です。月10PVほど(ひと月に10回ほどしか読まれない)のサイトを立て直しました。キーワードの設計をやり直し、記事を統合して書き直しました。3〜6か月で、月1万PVまで伸びました。記事を増やすより、狙う言葉を決めて、1本ずつ書き直すほうが効果的ということです。ただし、これは税理士のサイトではなく、別のサイトでの結果です。同じ結果になるとは約束できません。
記事を書くときの決まりは、Googleの説明どおりです。
- 読みやすく整理されていて、独自性があり、情報が最新で、信頼できて、読む人を第一に考えた内容にします。
- 避けるのは、検索の流入を増やすことだけが目的の記事、自動での大量生成、他人の意見をまとめただけの記事です。
「独自性」とは、あなたにしか書けないことです。独立した理由、得意な業種の相談で多い質問、手続きでつまずきやすい点など、自分の経験を元に書きましょう。
小規模な税理士事務所では、最初の問い合わせ対応に時間がとられ、忙しい時期は新しい依頼まで手が回らない、という話をよく聞きます。独立直後は、すべて一人でやることになると思います。毎週続けられる量に決めて、繁忙期が来る前に、記事とページの土台を作っておきましょう。記事に何を書き、どう続けるかは、税理士のブログ集客|何を書き、何を書かないかで説明しています。
順番4:生成AIの回答(GEO)に出るために
「AIに引用される書き方」の裏技はありません。Googleは、AIに引用されるための特別な施策は要らないと説明しています。AI向けの新しいファイルも、特別な構造化データ(schema.org)も、作らなくてよいとしています。
AIに引用される条件は、ページがインデックス登録されていて、検索結果にスニペットとして表示できる状態であることです。追加の技術的な条件はありません。下記の指針を守りましょう。
- robots.txtで、検索エンジンの巡回を許可している
- 内部リンクから、ページにたどり着ける
- ページの使いやすさ(ページエクスペリエンス)がよい
- 重要な内容を、文字(テキスト)で出している
- 画像や動画には、文章で補足を付ける
- 構造化データと、ページの文章を一致させる
順番3までは、GEOの対策にもなります。
私の経験も、これと合っています。競争の激しい検索語で、私のページがGoogleのAI回答の本文に引用されています。AIの答えから直接来てくれる人がいることも、自分のサイトで確かめました。また、料金表を画像のまま載せていたページは、AIの回答に出ませんでした。文字の表に直したあと、AIに引用されるようになったのです。大事な情報は、画像ではなく文字で記載しましょう。料金や対応分野の表は、文字で記載すると、読む人にもAIにも内容が伝わりやすくなります。
ただし、引用されることは約束できません。「必ずAIに引用される」と言う業者がいても、信用しないでください。
AIを使って記事の下書きを作る場合は、次の2つを守りましょう。1つ目は、法律や制度の部分を、自分で必ず確認することです。AIは、古い情報や間違った情報を出すことがあります。最終的に、税理士自身の確認が不可欠です。2つ目は、AIや自動化を使ったときは、使ったことを伝えることです。
順番5:結果を見る(Search Console)
Search Console(Googleが無料で提供している、検索での表示や順位を確かめるツール)を使います。利用するには、そのサイトの所有権があなたにあることの確認が必要です。
Search Consoleで確認できるのは、インプレッション数(表示回数)、クリック数、検索のことば(クエリ)別、ページ別、国別などです。AI機能での表示も、検索タイプ「ウェブ」の中に含まれます。Googleは、月に1回ほど見ることを勧めています。サイトマップの送信は必須ではありませんが、推奨されています。
Search Consoleを確認するときのポイントは2つです。表示回数はあるのにクリックが少ないページは、タイトルとメタディスクリプションを直しましょう。表示回数が少ないページは、狙う言葉と内容が合っているかを見直します。
構造化データ(事務所の名前や住所を、検索エンジンが読み取りやすい形で書き添えるもの)を掲載する場合は、LocalBusinessの形式があります。必須は名前(name)と住所(address)で、電話番号(telephone)や営業時間(openingHoursSpecification)が推奨されています。追加してから、インデックス登録まで数日かかります。
集客で守る3つの決まり
集客の話では、決まりも大切です。ここでは、集客に関わる範囲に絞って解説します。
1. 広告の決まり
税理士の広告は、原則として自由です。ただし、税理士会の細則と運用指針で制限されます。関東信越税理士会のQ&Aでは、次のような広告が禁止の例として挙げられています。
- 経歴を偽るなどの、虚偽の広告
- 実体のない団体や組織の表示
- 報酬や内容がはっきりしない表現(例:「割安な報酬」「最高の」)
- 比較広告
- 品位や信用を損なうおそれがある広告(例:「税の抜け道」)
ホームページのキャッチコピーを考えるときは、この点を確認してください。
2. 守秘義務と、前の事務所の依頼人
税理士法第38条は、秘密を守る義務を定めています。国税庁のQ&Aによると、「秘密」とは、税理士業務を行うなかで、依頼人の話や自分の判断で知った、一般に知られていない事実などです。「窃用(せつよう)」とは、知った秘密を、自分や第三者のために使うことです。「正当な理由」があるのは、本人が許した場合と、法令で義務がある場合です。違反すると、懲戒(2年以内の業務停止または禁止)の対象になります。
前の事務所で知った依頼人の情報を使った連絡は、この点から、避けるのが安全です。前の事務所との契約に、独立後の取り決めがある場合もあります。個別の判断が必要なときは、税理士会や専門家に相談してください。
3. 登録の前後
税理士法第52条は、税理士または税理士法人でない人が、税理士業務を行うことを禁じています。登録の前に、依頼を受け付けているように読める書き方は避けましょう。
登録には、登録免許税60,000円と、登録手数料50,000円がかかります。登録免許税は、マイナポータルからクレジットカードでも払えます。東京税理士会の場合、書類の確認に7〜10日ほどかかります。税理士会ごとの入会金と会費は違いますので、登録する会に確認してください。サイトの準備は、この手続きと並行して進められます。
よくある質問
Q: 独立したばかりでも、ホームページは必要ですか?
必要です。紹介を受けた人も、名前で調べることが多いと考えられます。調べたときに情報がないと、不安になりやすいからです。最初は、5ページほどの小さなサイトで十分です。
Q: 生成AIに引用されるには、何をすればよいですか?
Googleは、AI向けの特別な最適化は要らないと説明しています。まずは、インデックス登録されていて、スニペットとして表示できる状態にしましょう。そして、信頼できる、読む人のための内容を、文字で記載してください。ただし、AIに引用されることは誰にも約束できません。
Q: 前の事務所の顧客に、独立の連絡をしてもよいですか?
前の事務所で知った依頼人の情報を使うのは、守秘義務(窃用)の面から避けてください。契約書の取り決めによっても変わります。個別に判断が必要なときは、税理士会や専門家に相談しましょう。
まとめ
独立後の集客は、次の順番で進めます。
- 事務所の名前・住所・電話を1つに決める。事務所は2つ持たない
- ホームページに、問い合わせの入り口を1つ作る
- 悩みがはっきりした言葉で、得意分野の記事を1本ずつ書く
- 大事な情報は、画像でなく文字で記述する。生成AIへの特別な対策は要らない
- 月に1回、Search Consoleで結果を見て直す
まず1つだけ整えるなら、事務所の情報と、問い合わせの入り口です。広告と守秘義務の決まりを守りながら、続けられる量で進めましょう。
税理士AIでは、税理士事務所の集客を、AIとSEO・GEOで支援しています。ホームページの見直しや、検索で見つけてもらうための順番づけなど、独立前後の準備について無料相談を受け付けています。まずはお気軽にお問い合わせください。
参考・出典
- Google 検索セントラル「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」 https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/seo-starter-guide?hl=ja
- Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」 https://developers.google.com/search/docs/appearance/ai-features?hl=ja
- Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」 https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/creating-helpful-content?hl=ja
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールの代表的なガイドライン」 https://support.google.com/business/answer/3038177?hl=ja
- Google 検索セントラル「ローカル ビジネスの構造化データ」 https://developers.google.com/search/docs/appearance/structured-data/local-business?hl=ja
- Google 検索セントラル「Search Console のスタートガイド」 https://developers.google.com/search/docs/monitor-debug/search-console-start?hl=ja
- 日本税理士会連合会「税理士を探す」 https://www.nichizeiren.or.jp/display_top/%E7%A8%8E%E7%90%86%E5%A3%AB%E3%82%92%E6%8E%A2%E3%81%99/
- 国税庁「税理士制度のQ&A 6 税理士法違反行為」(問6-1、問6-24、問6-29) https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishiseido/qa/06.htm
- 国税庁「税理士制度」(登録者数) https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishiseido/seido2.htm
- 関東信越税理士会「Q&A(広告について)」 https://www.kzei.or.jp/faq/zeirishi/2012/10/28-0448.html
- 日本税理士会連合会「税理士登録の手続き」 https://www.nichizeiren.or.jp/prospects/entry/pre-entry/ 、https://www.nichizeiren.or.jp/taxaccount/registration/
- 東京税理士会「税理士登録について」 https://www.tokyozeirishikai.or.jp/aspiring/touroku/
- 日本税理士会連合会「第7回税理士実態調査」 https://www.nichizeiren.or.jp/datalibrary/system/survey/250221b/ 、税のしるべ https://shirube.zaikyo.or.jp/article/2025/03/03/10320591.html
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