税理士事務所の集客は4つの経路から選ぶ|紹介とWeb、AI検索のどこに力を入れるか
税理士事務所の集客を、紹介、紹介サービス、ホームページと検索、AI検索の4つの経路に分け、集まる顧客と作業内容などを比べます。開業したばかりの事務所と、得意分野の依頼を増やしたい事務所の力の入れ方を、税理士事務所のAI集客(GEO・AI-SEO対策)を支援する視点で解説します。

税理士事務所の集客には、紹介、税理士紹介サービス、ホームページ、広告、セミナーなど、方法がいくつもあります。どれも「やったほうがよい」と言われるので、結局どれにも手が回らないという事務所は少なくありません。
この記事では、集客の方法を4つの経路に分けて、集まる顧客の種類と作業内容を比較します。事務所の状況に合わせて、どこに力を入れるかを決めるときの参考にしてください。
要約
- 集客の方法は、紹介、紹介サービス、ホームページと検索、AI検索の4つに分けると、集まる顧客と作業内容を比べやすくなります。
- 開業したばかりなら紹介サービスで件数を確保しながらホームページを整え、得意分野の依頼を増やしたいならホームページとAI検索に時間を使います。
- 料金の目安と顧問料に含まれる範囲を文字で載せておくと、比べている人が判断しやすくなり、生成AIの答えにも使われやすくなります。
集客の方法が多すぎて、どれに力を入れるか決められない
| 調べると並ぶこと | 少人数の事務所で起きること |
|---|---|
| 紹介サービスへの登録 | 何から始めるか決められない |
| ホームページの作り直しとブログ | 繁忙期に手が止まる |
| SNSと広告 | 勧められた順に手を付けてしまう |
紹介で顧問先が増えてきた事務所には、落とし穴があります。集客について、改めて考えなくなってしまうのです。そして、紹介が減ってきたと感じてあわてて調べ始めると、紹介サービスへの登録、ホームページの作り直し、ブログ、SNS、広告と、やることが次々に出てきて混乱します。
どれも正しい集客方法ですが、所長一人や少人数の事務所では、全部を同時に進める時間はありません。さらに年末調整から確定申告までの時期は、新しいことに手を付ける余裕がなくなります。
その結果、業者に勧められたものから順に手を付けたり、何も決めないまま時間が過ぎてしまうのです。税理士の登録者は2026年8月末で8万2千人を超えており、探す側から見れば候補はいくらでもいます。比べる材料が見当たらない事務所は、その中で後回しにされがちです。
原因は、経路ごとに集まる顧客と作業内容を比べていないこと
| 経路 | 来る相手 | 手間と時間 |
|---|---|---|
| 紹介 | 最初から依頼するつもりの人 | 紹介者との付き合いが中心 |
| 紹介サービス | 事務所を探している人 | 登録後すぐ。手数料がかかる |
| ホームページと検索 | 事務所を比べている途中の人 | 費用は抑えられるが数か月かかる |
| AI検索 | 生成AIに探し方を聞いた人 | 事実を文字で書き足していく |
集客の方法はいくつもありますが、それぞれから来る顧客の種類が異なります。紹介で来る人は、紹介者を信頼しているので、最初から依頼するつもりで来ます。検索で来る人は、いくつかの事務所を比べている途中で、まだ決めていません。
集客に必要な手間と、効果が出るまでの時間も、経路ごとに異なります。紹介サービスは登録してすぐに案件の話が来ることがありますが、手数料がかかります。ホームページやブログは費用を抑えられる代わりに、問い合わせが来るまで数か月かかります。
この違いを比較せずに集客をひとまとめに考えると、どれも中途半端になります。まず経路ごとの特徴を知り、事務所に合うものを1つか2つに絞りましょう。
税理士事務所の集客経路は、4つに分けて考える
| 事務所の状況 | 力を入れる経路 |
|---|---|
| 開業したばかりで顧問先が少ない | 紹介サービスで件数を確保しながら、ホームページを整える |
| 顧問先は十分で、得意分野の依頼を増やしたい | ホームページとAI検索 |
| 紹介が安定している | 事務所名で検索されたときに見るページを整える |
ここでは、税理士事務所の集客を次の4つの経路に分けます。
1つ目は、今の顧問先や金融機関、ほかの士業からの紹介です。2つ目の紹介サービスは、税理士を探す人と事務所をつなぐ仕組みです。3つ目はホームページとブログを使った検索からの集客で、4つ目はChatGPTなどの生成AIの答えから来る集客です。
どこに力を入れるかは、事務所の状況で変わります。開業したばかりで顧問先が少ないなら、紹介サービスで当面の件数を確保しながら、ホームページを整えていく組み合わせが現実的です。
顧問先が十分にあり、得意分野の依頼を増やしたい事務所なら、ホームページとAI検索に集中しましょう。なお、紹介が安定している事務所でも、紹介された人が事務所名で検索したときに見るページは整えておく必要があります。
4つの経路は、それぞれこう整える
| 経路 | 整えること |
|---|---|
| 紹介 | 得意な業務と引き受けない業務を、紹介者に伝えておく |
| 紹介サービス | 手数料と届く案件の条件を、登録前に確かめる |
| ホームページとブログ | 得意分野の疑問に答えるページと料金の目安を載せる |
| AI検索 | 質問と答えの形で、事実を文字で書いておく |
紹介は、紹介してくれる人が説明しやすい形にしておく
紹介は、多くの事務所にとって身近な経路です。ただ、紹介者が「この事務所は何が得意か」を一言で言えないと、話は広がりません。
得意な業務と、引き受けない業務をはっきりさせて、顧問先や付き合いのある金融機関に伝えておきましょう。紹介された人が事務所名で検索したとき、ホームページに同じ説明が載っていれば安心してもらえます。
紹介してくれる人が、税理士の資格がないのに税務相談や申告書の作成をしていないか、確かめておきましょう。税理士会の綱紀規則で、そうした人と仕事を紹介し合う関係になることが禁じられているからです。
紹介サービスは、手数料と案件の条件を先に確かめる
紹介サービスは、登録しておけば、税理士を探している人の案件が届く仕組みです。顧問先が少ない時期に件数を確保できる点は、大きな利点です。
一方で、紹介料や手数料がかかり、条件はサービスごとに違います。届く案件の業種や規模、顧問料の水準もサービスによって異なります。自分の事務所が受けたい案件が来るかを、登録前に確かめておきましょう。
紹介サービスだけに頼ると、手数料を払い続けることになります。その間にホームページとAI検索を整えておくと、あとで紹介サービスに頼る割合を下げられます。
ホームページとブログは、得意分野の疑問に答えるページを増やす
検索で来る人は、事務所を比較している途中です。事務所の紹介だけのホームページでは、比べる材料が足りず、依頼につながりません。ホームページを問い合わせにつなげる手順は、紹介に頼らない税理士事務所のWeb集客|ホームページを問い合わせの入り口に変える手順で説明しています。
まず、得意分野を1つか2つに絞りましょう。そして、その分野で相談に来る人が検索しそうな疑問に答えるページを増やしていきます。料金の目安と、顧問料に含まれる作業の範囲も載せておくと、問い合わせる前に相手が判断しやすくなります。
私も自分の事業で税理士と顧問契約を結んだとき、顧問料に含まれる範囲を取り違えていたことがありました。記帳代行や決算は、別料金だったのです。契約のときに確かめておくべきでした。こうした行き違いは、料金の範囲が先に分かっていれば防げます。
税理士会の綱紀規則でも、税理士は報酬の算定基準をあらかじめ決めて、依頼者に聞かれたら答えられるようにしておくことになっています。その基準をホームページで見せておけば、問い合わせのあとに「思っていた料金と違う」というトラブルを減らせます。
なお、税理士は所属する税理士会の定めに反しない範囲で、自分の業務を広告できます。ホームページやチラシの文言を作るときは、所属する税理士会の細則で決まりを確かめておきましょう。
AI検索は、質問と答えの形で事実を書いておく
税理士を探す人が、検索の代わりにChatGPTなどの生成AIに聞く場面も増えてきました。生成AIは、答えを作るときにウェブ上のページを参照することがあります。そのため、生成AIの答えの中に、事務所名が引用されることもあります。
AIに参照されやすくするために、質問と答えがはっきりしたページを作りましょう。対応している業務、料金の目安、対応地域、オンライン面談ができるかどうかを、画像ではなく文字で書いておきます。
私が自分の事業で運営しているページでも、料金表を画像で載せていたころは、生成AIに引用されませんでした。テキストの表に直したところ、引用されるようになったという経緯があります。
サイトにAIの自動応答(チャットボット)を置くときは、答えてよい範囲に注意が必要です。個別の税額の計算に具体的に答えるのは、税理士法でいう「税務相談」にあたります。チャットボットが間違った答えを出せば、事務所の信用にかかわります。チャットボットは受付と面談の予約までにとどめ、個別の相談には税理士が答えるようにしておきましょう。
税理士事務所の集客でよくある失敗例
| 失敗例 | 代わりにすること |
|---|---|
| 4つの経路に同時に手を付ける | 1つか2つに絞り、反応を見てから広げる |
| 紹介サービスの件数に安心する | 件数があるうちにホームページに手を付ける |
| 料金を「お問い合わせください」だけにする | 顧問料の目安と作業の範囲を載せる |
| 制作会社の文言を読まずに公開する | 紹介者に説明するつもりで読み返す |
失敗例:4つの経路に同時に手を付けます。どれも少しずつ進めた結果、どこからも問い合わせが来ないまま半年が過ぎます。まずは1つか2つに絞り、反応を見てから次に広げましょう。
失敗例:紹介サービスの件数に安心して、ホームページを後回しにしがちです。ほかの経路からも問い合わせが来るようにしておけば、紹介サービスの条件が変わっても安心です。ホームページからも集客できるよう、早めに手を打っておきましょう。
失敗例:料金を「お問い合わせください」だけにしたままにします。ほかの事務所と比較中の人は、目安が分からない事務所には問い合わせず、別の事務所を選びがちです。すべてを載せる必要はなく、顧問料の目安と含まれる作業の範囲だけでも明記しておきましょう。
失敗例:制作会社が作った文言を、自分で読まずに公開してしまいます。得意分野や引き受けない業務は、事務所にしか分かりません。公開する前に、紹介者に説明するつもりで読み返しましょう。
よくある質問
Q: 開業したばかりで、何から始めればよいですか
A: 顧問先が少ないうちは、紹介サービスで当面の件数を確保しつつ、ホームページに得意分野のページを1〜2本用意するところから始めましょう。紹介サービスに頼る期間を決めておくと、ホームページを整える時間を取りやすくなります。
Q: 税理士紹介サービスの手数料はどのくらいですか
A: 手数料の決め方や金額は、サービスごとに違います。また、条件が変わることもあります。登録する前に、各サービスの最新の条件を確かめてください。
Q: AI検索への対策は、ホームページのSEOと別に必要ですか
A: 大きく分けて考える必要はありません。検索で読まれるページを作る作業と、生成AIに参照されやすいページを作る作業は、ほとんど同じです。そのうえで、「質問と答え」の形で情報を公開しておくと、AIに引用されやすくなります。
Q: SNSは使ったほうがよいですか
A: 使える時間があれば役に立ちますが、4つの経路を整えたあとで構いません。SNSで事務所を知った人も、依頼する前にはホームページを見て確かめます。先にホームページを整えておくほうが効率的です。
まとめ
税理士事務所の集客は、紹介、紹介サービス、ホームページと検索、AI検索の4つの経路に分けて考えましょう。経路ごとに集まる顧客と作業内容が違うので、まずは事務所の状況に合わせて1つか2つに絞りましょう。
どの経路を選んでも、得意分野と料金の明記は重要です。事務所に合う方法を一緒に考えたい場合は、無料相談をご利用ください。
参考・出典
- 国税庁 税理士制度のQ&A「6 税理士法違反行為」(税務相談の定義): https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishiseido/qa/06.htm
- 日本税理士会連合会「税理士登録者数」: https://www.nichizeiren.or.jp/cpta/about/enrollment/
- 日本税理士会連合会「○○税理士会綱紀規則(準則)」(業務の広告、非税理士との関連排除、報酬の設定): https://www.nichizeiren.or.jp/suggestion/siryo-2/30.pdf
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